知的財産訴訟

知的財産訴訟

Ananda IPの知的財産訴訟チームは、商標、著作権、特許侵害などの事案についてまたは知的財産局への手続(権利の登録が拒絶された場合など)と同様、お客様に代わって知的財産・国際取引裁判所および最高裁判所への提訴を行います。

当事務所が取り扱った訴訟事例は、「最近の事例」「ニュース」セクションでご覧いただけます。

このセクションでは、知的財産侵害における救済(刑事告発、民事手続き、水際対策、オンライン上の模倣品対策)とアドバイス、予防策、知的財産権所有者への戦略的推奨事項を簡単にご説明します。詳しくはこちらまでお問い合わせください。

模倣品問題はいまだ解決せず、タイの多くの知的財産権所有者にとって大きな課題の一つです。

よくある模倣品は衣料品、CD、DVD、コンピューターソフトウェア、時計、携帯電話、電気製品、電子機器、スペアパーツ、化粧品、医薬品、食品、その他消費財など、タイ国内で製造されたものか海外からの輸入品かを問わず多岐にわたり、中国やその近隣諸国からの輸入品も増えています。

知財権者から、しばしば、タイの法規制や量刑が甘く、1997年に専門的に扱う中央知的財産・国際取引裁判所(CIPITC)が設立されたり、執行機関と知的財産権者との間でさまざまな覚書が交わされたりなどの近年の前進の効果を薄れさせるものだと指摘されます。

刑事告発

刑事告発は知的財産権所有者、特に商標、著作権所有者がタイで知的財産権を行使する場合に圧倒的によく用いられている手段です。例えば、2011年の1年だけで、中央知的財産・国際取引裁判所が取り扱った商標侵害は4,000件に上ります。

権利侵害が発生した場合は、警察による強制捜索とその後の中央知的財産・国際取引裁判所への刑事訴追を伴う刑事訴訟がよく行われます。知的財産権所有者(またはその代理人)が該当の警察組織に苦情を申し立てることによって開始されます。

タイの法執行機関について

タイには複数の法執行機関があります。

  • 2002年10月に設置された特別捜査局
  • 商標所有者に幅広く利用される警察の特別組織である経済犯罪調査部。
  • 王国首都圏警察
  • 王国地方警察
  • 食品医薬品局
アドバイス
刑事告発のメリット 刑事告発のデメリット
  • 多くの場合、民事訴訟よりも速く、低コスト
  • 民事訴訟に備えるための侵害の証拠を確保できる
  • 苦情を申し立てたり、捜索・逮捕令状を取得するには、侵害の証拠を用意し、提出する必要がある
  • 報告されている執行官の汚職行為
  • 一部の執行機関の教育訓練不足
  • 法規制の甘さ(法で定められた罰金の最高額が少額)、抑止力不足がよく指摘されている
  • 標的の有力人物を捕らえること、バンコクの市場やショッピングモールなど模倣品販売でよく知られたエリアの強制捜索さえ難しい
  • 地主の法的責任が欠けている

商標権侵害における刑事執行と救済

タイでは業種を問わず、商標権侵害が頻繁に起きます。医薬品、化学製品、化粧品、食品、電子機器、高級品、機械類、スペアパーツ、おもちゃ、調度品、そしてサービス(ホスピタリティ、輸送、旅行、金融サービス、保険など)に至るまで、さまざまなブランドがたびたび模倣されています。商標権侵害は正当な商標所有者に経済的損失を負わせ、ブランドの評判に影響を与えるだけでなく、模倣品は安全基準を無視して製造されていることも多いことから、消費者の健康にリスクが及びます。

商標所有者がブランドを登録し、積極的な保護を維持することが大切です。新しいブランドを立ち上げる前、理想的にはタイ市場に参入する前に商標保護戦略を立てておくことを強くお勧めします。タイでは通常、商標登録におよそ1年を要することから、特に事前の対応が必要です。ブランド登録、侵害が起きる可能性の想定、権利行使や売上喪失に伴うコストの想定だけでは模倣品問題の解決に十分とは言えませんが、大惨事を防ぐには大いに役立ちます。

法の文言と権利行使状況の現実とを区別することも重要です。商標権侵害が起きた場合、タイの法律に登録、未登録にかかわらず、商標所有者が権利を行使できると定められている点は注目に値しますが、しかしながら、それをブランド登録が不要であることを示すと解釈すべきではありません。登録商標は未登録商標に比べてはるかに幅広い保護を得られます。登録商標は、商標法の定めに基づく保護を受けられますが、未登録商標は刑法と民商法典の定めに基づく保護となります。タイで登録された商標の侵害者に対する罰則は4年以下の懲役または40万バーツ以下の罰金(あるいはその併科)ですが、未登録商標の場合は3年以下の懲役または6,000バーツ以下の罰金(あるいはその併科)です。

さらに、登録によって侵害者による模倣商標の使用を防ぐ抑止効果が期待できます。

重要ポイントは、権利行使を行う前に商標登録を行っておくことが常に得策だということです。

特許権侵害における刑事執行と救済

タイで特許侵害に直面している業界をリストアップすることは、前段でお話した商標と重複するでしょう。ただし、商標保護と特許保護には大きな違いがあります。商標権者は随時、商標の保護のための出願をすることができますが、特許権は新規の発明に限って特許出願が可能ですし、未登録の特許保護といったものはありません。

言い換えると、タイで特許出願を行っていなかった、またはその発明がすでに公開されている場合、特許権侵害に対する権利行使はできません。特許法に詳しい企業の方は当然とお思いになるかもしれませんが、(製品販売、展示会、国際見本市などの方法で)すでに発明を公開した後で特許出願を行っていなかったことに気付いたり、特許保護の対象地域をタイに広げたいと思っても時すでに遅しになってしまっている外国企業のお客様も少なくありません。欧州または米国で特許出願を済ませた多国籍企業であっても、タイでの特許権の保護を申請し忘れ、手遅れに気付くケースもままあります。

特許権侵害が起きた場合、登録済み特許の所有者はタイ特許法の規定を頼りにできます。発明特許の侵害に対する罰則は2年以下の懲役または40万バーツ以下の罰金(あるいはその併科)、小特許・意匠特許については1年以下の懲役または20万バーツ以下の罰金(あるいはその併科)です。ただし、タイでは特許権侵害、特に発明特許に関する刑事事件はほとんどありません。これにはいくつかの理由があります。まず、すでにご説明した通り、タイでは特許取得までに10年以上を要する場合があり、特許権者の権利に大きく影響する状況です。技術進歩の速さと消費財の寿命の短さを考えると、10年経過した発明はすでに陳腐化している可能性があるか、もっと効率的、画期的な製品やプロセスに置き換わっている可能性があります。従い、特許権の権利行使については、特許権者がライセンス料の徴収または特許侵害の賠償金の請求を目的とする民事訴訟の方がより適しています。法廷外の和解や調停も一般的です。通常、紛争解決が公になることを回避するのはどちらの当事者にとっても利益になるからです。

著作権侵害における刑事執行と救済

主な著作権業界は、著作権のある作品または活動の創作、製作、上演、放送、頒布、販売に主に携わる業界です。例えば、出版物、文芸作品、音楽、映画、動画、ラジオ、テレビ、写真、ソフトウェア、データベース、視覚芸術・グラフィックアート、広告サービス、著作権管理団体などがこれに該当します。しかしながら、製品に関するお知らせに記載した文学的内容、広告、ウェブサイトコンテンツ、データベース、独自のソフトウェア、写真、映像、書籍など、ほぼすべての業界が何らかの著作権保護を要求する場合があります。

タイにおける著作権侵害は長年の問題です。そのことによって、タイは米国スペシャル301条報告書優先監視国に指定されていました。タイにおけるCD/DVD、ソフトウェアの海賊行為は著作権業界に数億ドル規模の損害を与え、わずかな前向きな兆しがあるとはいえ、法改正や法執行機関の活動強化などが著作権業界から繰り返し求められています。オンラインでの海賊行為やインターネットサービスプロバイダーの責任、ケーブル・衛星信号の海賊行為などに関し、著作権法の改正が必要です。現状、著作権侵害が起きた場合、著作権法上、営利目的での犯罪行為については6カ月~4年の懲役または10万~80万バーツの罰金(あるいはその併科)の対象になります。

下表にタイ著作権法に基づく罰則をまとめています。ご覧の通り、営利目的でない場合は、著作物の複製、翻案、伝達について刑事責任に問われることはありません。

 

侵害方法 意図 金銭的責任 刑事責任
著作物の複製、翻案、伝達 非営利目的 2万~20万バーツ なし
著作物の複製、翻案、伝達 営利目的 10万~80万バーツ 6カ月~4年
輸入、頒布、販売、公への伝達 非営利目的 1,000~1万バーツ なし
輸入、頒布、販売、公への伝達 営利目的 5万~40万バーツ 3カ月~2年

法律上想定される罰金は多額に見えるかもしれませんが、中央知的財産・国際取引裁判所(CIPITC)が最終的に採用する罰金は通常、設定範囲の下の方であり、侵害が営利目的で故意に行われた場合でも行動抑止には十分ではないと考えられています。また、組織犯罪の犯人が見つかり、逮捕されることは稀です。中央知的財産・国際取引裁判所(CIPITC)が毎年取り扱う3,000件の著作権侵害事案のうち、多額の罰金が科されることはほぼありません。

前向きな面に目を向けると、タイでは税関業務の効率化を主な理由に、著作権を侵害した模倣品(DVDなど)が大規模に押収されるケースが増えています。法執行機関同士でさまざまな覚書が交わされ、協力体制と国内の法執行活動の全体的効率が改善されています。

民事執行

刑事救済に加え、知的財産権所有者は民商法典の定めを頼りにすることもできます。民商法典には「故意か過失かを問わず、他人の生命、身体、健康、自由、財産、その他の権利に不当に危害を加えた者は不正行為を働いたとみなされ、その償いをしなければならない」とあります。

タイでは知的財産権侵害に関する民事訴訟はほとんどありません。中央知的財産・国際取引裁判所は年間で平均7,000件の事案を取り扱っていますが、そのうち民事訴訟は300件を下回ります。

民事訴訟は多くの場合、原告にとって費用も時間もかかり、立証責任も大きく、最終的には被告(知的財産権侵害者)の保有資産の評価や没収が難しいことからこうした数字になっていると考えられます。権利所有者は、民事執行の必要性を慎重に検討し、侵害の範囲を定める強力な証拠を示す準備をし、中央知的財産・国際取引裁判所が損害の評価ができる状態を整えなければなりません。

プラス面を考えると、民事訴訟はいくつかの意味で有用です。

まず、侵害者に対する永久的な差止命令を得ることができ、損害賠償を請求できます。例えば著作権侵害の場合、中央知的財産・国際取引裁判所が損害の重大性を検討し、逸失利益と知的財産権行使に伴う費用を含めた形で権利所有者に対する適切な賠償金の支払いを命じる可能性があります

次に暫定的差止命令。タイの知的財産制度では、権利侵害の申し立てに関連する証拠保全のために保安的な差し止めの仕組みが定められています。この暫定的差止命令は侵害者にプレッシャーをかけるという意味で極めて有効です。

民事執行に関するアドバイス

アドバイス
民事執行のメリット 民事執行のデメリット
  • 永久的な差止命令を得たり、権利侵害に伴う賠償金を得られる可能性がある
  • 暫定的差止命令を請求できる可能性がある
  • 刑事執行に比べて、費用や時間がかかる場合が多い
  • 権利侵害と商業的不利益について強力な証拠を提出しなければならない
  • 侵害者が資産を保有していなかったり、破産を宣言した場合に、裁判所判決の実行が難しい

水際対策

侵害者に対する刑事、民事訴訟に加え、知的財産権者には知的財産権侵害品の輸出入を防ぐために、タイ関税法の定めを利用することができます。

水際対策は模倣商標や著作物の海賊版に対してのみ有効です。関税法に基づく特許権侵害の被害を受けている商品の保護はいまだ不透明であり、この問題を明確にする関税法改正が近い将来行われることが期待されます。実務上は、税関で押収されている知的財産権侵害品の多くが商標権の侵害です。

商標権者には模倣品が含まれていることが疑われる積み荷を足止めするためにタイ税関の支援を求めるいくつかの選択肢があります。

選択肢1商標権者はまず、知的財産局の商標登録官に模倣商標を付した商品の輸出入禁止を要求する届出を行います。知的財産局はその要求と補足書類を税関に公式に受け渡します。税関は場合によって、疑わしい積み荷が見つかった時に商標権者またはその代理人に知らせ、真贋確認を求めます。税関職員が真贋確認のために積み荷を留置できるのは24時間です。24時間以内に確認ができなければ、疑わしい商品は留置を解かれます。

押収品が模倣品であることが確認された場合は、税関職員が禁止品の輸入を理由にその旨を輸入者に申し立て、当局に報告し、輸入者が罰金の対象となります。一般に、罰金は税関が判断するその商品が市販された場合の市価の2.5倍です。輸入者が税関委員会の命令に従わなかった場合は、事案が中央知的財産・国際取引裁判所に引き渡されます。裁判所には押収品の市価の4倍を上限とする罰金を輸入者に科す権限があります。押収品は通常、破棄されます。

選択肢2商標権者は、知的財産局の商標登録官に届出を行った後、疑わしい積荷が見つかった場合の留置を税関に申し立てることもできます。この場合、商標権者がタイに到着する、またはタイから出荷されることがわかっている疑わしい積荷について詳しい情報を提供しなければなりません。税関職員には積荷の具体的な詳細情報を知らせる必要があり、例えば模倣品を積んでいる貨物船の名称または識別情報、タイへの到着日時、商品の保管場所、輸入者の名前などです。

権利者は通常、税関職員が行う活動で満足できるため、タイからまたはタイへの模倣品の輸出入が懸念される企業は税関との密接な連携を強くお勧めします。

税関職員向け研修を開催したり、模倣品を見つけるための通知や情報を提供することによって良い結果を出している企業もあります。

 

水際対策に関するアドバイス

アドバイス
水際対策のメリット 水際対策に関するアドバイス
  • 速い、簡単、低コスト
  • 模倣品が国内市場や輸出先市場に到着する前に大量の積荷を押収できる
  • 商標権侵害品の押収を効率的に行える
  • 税関職員に疑わしい積み荷が見つかった時に自分または代理人に連絡してもらえるよう、知的財産局に届出をする
  • 留置された商品は24時間以内に確認する
  • 模倣品を見分けたり、新しい商品や知的財産権が加わった場合に最新情報を提供するための税関職員向け研修を開催する

オンライン上の模倣品対策

タイでは若年層や都市居住者を中心にオンラインショッピングが急速に浸透し、衣類、電子機器、映画、化粧品など幅広い商品が購入されています。その流れで、模倣品もオンライン上に流通しています。

オンライン上の海賊行為は知的財産侵害者に瞬く間に広がり、摘発されるケースはあまりありません。また、知的財産法には模倣品の販売に対する処罰が設けられていますが、模倣品のオンライン販売については具体的な定めがありません。現行知的財産法にはオンライン上の海賊行為について具体的な手続きや罰則の記述はありません。

知的財産権者はこれまでのところ、例えば、停止通告書を送付する、ドメイン名の所有者に排除措置書面を送付する、あるいは調査の後、オンライン上で侵害物品を提示していたことが確認できた個人や法人と関連する倉庫や保管施設に対しレイドを行うといった従来の方法を執ることしかできません。こうした行為の成果は予想がつかず、もし調査によってある程度の量の模倣品が見つからなければ、知的財産権者にとってはコストだけがかさむことになります。さらに、タイではオンラインでの海賊行為の監視が思いのほか困難です。多くの模倣品オンライン販売サイトはタイ語で書かれていますが、オンライン海賊行為検知ソフトウェアは通常、英字が用いられています。そこで商標権者はタイ国内の専門家や調査員にオンライン上の商標侵害監視を依頼する必要があります。幸いにも、いくつかの国内企業がこの機を捉え、国内用のモニタリングプログラムを提供しています。

知的財産権者はコンピューター犯罪法(2007年)の定めを利用することもできます。同法では、有資格者職員にコンピューターデータの取得やコンピューターシステム、コンピューターデータ、コンピュータートラフィックデータ、コンピューターデータストレージ装置の調査・アクセスを認めています。また疑わしいコンピューターシステムの押収も認められています。ただし、コンピューター犯罪法にはオンライン上の商標権侵害の取り扱いについて具体的な定めがなく、他者に危害を及ぼす目的で偽のコンピューターデータをシステムに入力する犯罪にオンライン上の商標権侵害が含まれているか否かについて見解が割れています。デジタル経済社会省が関与する新しいアプローチには模倣品販売ウェブサイトの閉鎖要請が含まれ、現在協議が進められていますが、この方法によってオンライン上の海賊行為を確実に取り締まれるのかどうか、現時点では明らかではありません。知的財産権者に対しては、関係者が協力して管轄当局にオンライン上の海賊行為の問題を提起し、現行法の改正を働きかけることを強くお勧めします。

予防策、戦略、主な推奨事項

事前調査と事前登録

タイでは、知的財産権の事前調査と事前登録が特に大切です。ご自身の知的財産を守りたいのであれば、商標、特許、意匠、著作権の登録に勝る投資や予防策はありません。権利が正式に登録されることによって権利行使という選択肢が生まれ、反対に未登録の場合は通常、権利行使が難しいか、コストがかさみます。

商標の使用可否調査や先行技術調査を軽視するべきではありません。戦略やFTO(Freedom to operate)を判断し、そして競合他社の動きを監視するうえで大いに役立ちます。例えば、商標の無断使用者や偽造者は商標データベースをチェックし、登録、更新されていない商標を探します。競合他社も、あなたが自身の技術や創作性を使用するために特許をうけた製品やデザイン、あるいはプロセスを探るでしょう。その一例が、先発薬品メーカーの全製品について特許出願がなされているか否か、定期的に確認する後発薬品会社です。

こうした予防策(事前調査、事前登録)の多くはそれほどの費用はかかりませんので、予算を気にして自社資産の少なくとも一部を保護することを躊躇すべきではありません。タイでは著作権登録の公式手数料はかかりません。そして、商標または意匠特許出願に関わる弁護士費用を含む手数料はスタートアップ企業にとっても個人発明家にとっても対応できる範囲です。これらに比べると発明特許のコストはかかりますが、中・長期的なリターンを期待できる投資と言えます。

保護・エンフォースメント戦略の実行

知的財産の保護に実績があり、各種政府機関と人脈のある国内専門家の支援を受けることをお勧めします。権利の保護や模倣品対策に関する戦略はビジネスニーズと知的財産権所有者のニーズに応じた現実的、先回り的な調整が必要です。国内の専門家であれば、法的見解、提案、脆弱性評価、FTO(Freedom to operate)調査・訴訟戦略に関する助言を提供し、知的財産権所有者はその情報に基づき判断することができます。特に戦略については、タイ法の解釈や実際の執行状況を明確に理解せずに立てるべきではありません。

意識向上

社内で意識を高め、知的財産文化を育むことも不可欠です。現地市場の監視、企業内の機密保持の実施と管理、または発明と新しい設計の記録における現地の販売業者とライセンシーの役割は、企業が事業活動におけるIPの重要性を強調するためにできることの実際的な例です。

コミュニケーションも不可欠です。著作権表示、商標通知、会議、執行機関のトレーニングなどのトレーニングの開催、IPセミナーへの参加は、企業がIP資産を伝達し、意識を高めるためにできることのほんの一例です。税関や警察官向けの年次トレーニングやワークショップは、偽造品と本物の商品を区別する方法を認識し、当局にIPの問題を認識させるための強力なツールです。これらのプログラムは、偽造が国内のイメージや国際貿易に与える損害について当局を教育するのにも役立ちます。

協力体制

権利所有者同士が協力し、専門家団体や業界団体、商工会議所に支援を求めることを検討してもよいでしょう。最近、設立されたEABC知的財産作業部会などの知的財産作業部会への参加はベストプラクティスの習得に役立つだけでなく、関係企業が管轄当局にこの問題について直接働きかけ、法整備を提案できる機会にもなります。場合によっては、共同の権利行使によって個々のブランドまたは著作権者の負担費用を抑えることができます。

国の模倣品対策機関と協力

権利所有者は国の模倣品対策機関と積極的に協力する必要があります。良好な協力関係が築かれていれば、より効率的に模倣者と闘うことができます。警察や税関などの法執行機関との密接な連携が欠かせません。顧客や権利所有者に代わり、知的財産を取り扱う法律事務所や調査会社に法執行機関向け研修を依頼することもできます。真贋判定のための小冊子やCDを税関に提供するのも有効な方法です。最後の手段は、2006年に知的財産局、法執行機関、民間の権利所有者、法律事務所、調査会社、百貨店の間で結ばれた覚書のような覚書の締結です。この覚書の目的は模倣品販売で悪名高いエリアをターゲットに抑制措置を講じることであり、例えば、覚書には2回の強制捜索を受けた小売業者は、地主が強制退去させなければならないとあります。

模倣品検知技術の活用

可能であれば、正規品またはそのパッケージに表示を行うための技術やシステム、デバイスの活用を検討してください。消費者や法執行機関が正規品を見分けることができます。医薬品をはじめ消費者の健康に直接影響が及ぶ製品については特にこれが当てはまります。バーコード、ホログラム、シール、マイクロ文字、チップ、詰め替え防止機構、不正開封防止包装などは、正規品のコピーを防ぎ、消費者が模倣品を見分ける手がかりにもなります。

柔軟性と忍耐強さ

最後のアドバイスは、柔軟に、忍耐強くです。知的財産保護対策は定期的な見直しと、ビジネス戦略や環境の変化に応じた手直しが必要です。効果的な保護対策は一朝一夕にはいきません。目標を定めたら、集中力を切らさず、常に強い姿勢で自社の知的財産の保護に取り組みましょう。